公認会計士・社会保険労務士・中小企業診断士・簿記1級・弁理士は、取得コストや難易度の高さから「やめとけ」と言われやすい資格です。
この記事では、賃金構造基本統計調査や各種公的データをもとに、5つの資格の年収・取得コスト・合格率を横並びで比較し、判断材料として整理しました。
※この記事は特定の資格を否定するものではなく、公的データに基づく判断材料の整理です。
判断基準の開示
この記事で取り上げる5つの資格は、以下の3つの軸で比較しています。どの資格が「やめとけ」かは人によって異なるため、自分の優先順位と照らし合わせてご覧ください。
比較軸1:年収水準。賃金構造基本統計調査・jobtag・業界団体アンケート等の公的データを参照しています。ただし、資格によってはデータの取り方が異なるため、単純な比較が難しい点に注意が必要です。
比較軸2:取得コスト(費用+期間)。予備校費用・受験料・学習期間の目安を整理しています。独学か予備校かで大きく変わるため、幅を持たせた数値で記載しています。
比較軸3:合格率。合格率が低いほど投下時間に対する不確実性が高くなります。合格率の数値は各試験の公表データに基づいています。
やめとけと言われやすい資格5選
ここからは5つの資格について、主要データと「やめとけ」と言われやすい理由を個別に整理します。なお、掲載順は五十音順であり、順位や優劣を示すものではありません。
公認会計士
平均年収は約922万円(賃金構造基本統計調査 令和5年)で、今回の5資格の中では高い水準です。取得コストは予備校利用で50〜100万円、学習期間は2〜4年が目安とされています。
やめとけと言われる主な理由は、試験の難易度が極めて高く、合格後も実務補習が必要な点です。学習期間中の機会損失が大きく、社会人が働きながら取得するにはハードルが高いと言われています。一方で、転職のしやすさは高いとされています。
→ 詳しくはこちら:公認会計士はやめとけ?
社会保険労務士
年収データはjobtag「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」の混合データで約947.6万円ですが、証券アナリスト・アクチュアリー・経営コンサルタント等を含むため、社労士単体の年収を示すものではありません。取得コストは予備校利用で20〜50万円、学習期間は1〜2年が目安です。
やめとけと言われる主な理由は、合格率6〜7%の難関でありながら、独立開業しても顧客獲得に苦労しやすいと言われている点です。社労士単体の正確な年収データが公表されていないことも、将来像が見えにくい要因になっています。
→ 詳しくはこちら:社労士はやめとけ?
中小企業診断士
中小企業診断協会のアンケートによると、最多回答は年収501〜800万円(21.4%)で、1,000万円超は全体の34%です。取得コストは20〜80万円、学習期間は1〜3年が目安とされています。
やめとけと言われる主な理由は、1次試験の合格率が約30%、2次試験が約18%と段階的にふるいにかけられる構造です。また、独立型と勤務型で年収差が大きく、資格を取っただけでは収入に直結しにくいと言われています。
→ 詳しくはこちら:中小企業診断士はやめとけ?
簿記1級
求人データ集計による平均年収は約583万円で、簿記2級の約472万円と比べて約111万円高い水準です。取得コストは5〜30万円、学習期間は半年〜2年が目安とされています。
やめとけと言われる主な理由は、合格率10〜15%の難易度に対して年収の上乗せ幅が限定的である点です。公認会計士試験の登竜門とも言われ、簿記1級で止まるなら費用対効果に疑問が残るという声があります。
→ 詳しくはこちら:簿記1級はやめとけ?
弁理士
賃金構造基本統計調査(令和6年)による平均年収は約765万円で、約30%が年収600〜800万円の層に集中しています。取得コストは予備校利用で30〜80万円、学習期間は2〜4年が目安です。
やめとけと言われる主な理由は、合格率約6〜10%の難関資格でありながら、弁理士全体の登録者数が約10,000人と市場規模が小さい点です。企業内弁理士が約2,000人(20%)を占めており、独立開業で安定するまでに時間がかかると言われています。
→ 詳しくはこちら:弁理士はやめとけ?
比較一覧表
5つの資格の主要データを横並びで比較すると、以下の通りです。
| 資格名 | 年収目安 | 取得コスト | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 公認会計士 | 約922万円 | 50〜100万円 / 2〜4年 | ※複数段階 |
| 社会保険労務士 | ※混合データ約948万円 | 20〜50万円 / 1〜2年 | 6〜7% |
| 中小企業診断士 | 最多501〜800万円 | 20〜80万円 / 1〜3年 | 1次約30% / 2次約18% |
| 簿記1級 | 約583万円 | 5〜30万円 / 半年〜2年 | 10〜15% |
| 弁理士 | 約765万円 | 30〜80万円 / 2〜4年 | 6〜10% |
社会保険労務士の年収データは混合職種のため、他の4資格と単純比較できない点にご注意ください。中小企業診断士も独立型・勤務型で大きな差があり、平均値だけでは実態を捉えにくい資格です。
まとめ
5つの資格に共通するのは、合格率が低く取得までに時間とコストがかかる一方で、取得後の収入が保証されているわけではないという点です。「やめとけ」と言われやすいのは、投資に対するリターンの不確実性が大きいことが背景にあります。
どの資格が自分にとって「やめとけ」かは、現在の年収・使える学習時間・独立志向の有無によって変わります。比較一覧表の数値を自分の状況と照らし合わせ、コストと見返りのバランスを検討してみてください。
各資格の詳細な分析は個別記事で整理しています。気になる資格があれば、該当する記事で「やめとけ」の理由と判断材料を確認することをおすすめします。
この記事のデータソース:
- 賃金構造基本統計調査 令和5年(公認会計士)・令和6年(弁理士)
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)[取得日: 2026-03-30](社会保険労務士)
- 中小企業診断協会アンケート(中小企業診断士)/ 求人データ集計(簿記1級)
- 最終更新日: 2026-03-30

